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妊娠中におすすめな食べ物・NGな食べ物 まとめ

妊娠中のお母さんが食べたものの栄養素は、血管を通じておなかの赤ちゃんまで運ばれます。胎児は100%あなたの食べたものの影響を受けるため、特に妊娠中は赤ちゃんのため食事を意識しましょう。

妊娠中に食べるべき『おすすめな食べ物』

■マイ 『妊娠してから野菜を多く取ったり、赤ちゃんのために以前よりバランスの良い食生活を心がけているつもりですが、普段よりたくさん取ったほうがいい栄養素ってありますか?』

赤ちゃんの健康のためにも、妊婦としての理想的な食生活を目指したいですよね。妊娠前は、自分一人のエネルギーや健康を意識することが多いと思いますが、妊娠中は赤ちゃんの細胞分裂や臓器・神経系・骨格の成長に必要な栄養素摂取を心がけましょう。

妊娠中におすすめの食べ物

緑黄色野菜

緑黄色野菜は、ほうれん草やニンジンなどβカロテンを豊富に含む野菜のことですが、ビタミンC・ビタミンK・食物繊維・カルシウム・鉄分・葉酸など、多くの栄養素を摂取することができます。

や蒸し料理などにして、かさを減らしてたくさん取り入れるのも良いでしょう。 しかし、赤ちゃんの成長に欠かせない葉酸は水溶性ビタミンのため水に溶けやすく熱に弱いため食べ物だけでは充分な摂取が難しいのも特徴です。

厚生労働省は、通常の食事と合わせて葉酸サプリから1日/400μgの摂取を薦めています。

ビタミンB12と葉酸を食べ合わせることで造血を促進したり、神経系の先天性疾患やダウン症の予防にも期待がされているため、妊娠期に欠かせない栄養素として覚えておきましょう。

赤身の肉

赤身のお肉は、たんぱく質や鉄分が豊富な食べ物です。 赤ちゃんの筋肉や皮膚・内臓・髪・爪などの生成にはたんぱく質が必要ですし、各栄養素を運搬は鉄分の役割です。

妊娠中は貧血になりやすいため、鉄分の摂取は欠かせませんが、生食やレバーからの摂取はNGなので気をつけましょう。

大豆食品

大豆には、たんぱく質が多く含まれるため赤ちゃんの血液や筋肉の成長にも役立ちます。

またカロリーも低いため、豆腐や納豆などを和食の献立に取り入れたり、牛乳の代用として豆乳を飲むことで、栄養はしっかり摂りつつ太りすぎを防ぐこともできます。

雑穀類

玄米や赤米・黒米・はい芽米・もちきびなど雑穀類と言っても、さまざまな種類がありますが、ミネラルやビタミン・食物繊維などが多いため、白米と一緒に炊いて食べるのも良いでしょう。

便秘がちな妊婦さんには、便通をよくする効果もありますが、消化に負担がかかるため胃が弱っている場合などは摂取を控えましょう。

海藻類

海藻には、ミネラルや鉄分・カルシウム・食物繊維など含み、中でもヨード(ヨウ素)は甲状腺ホルモンの合成に無くてはならない栄養素です。

甲状腺ホルモンは脳の発達に重要な要素と言われ、胎児の発育中にホルモン値が不十分な場合脳障害が起こる可能性があるという報告もされています。

ヨーグルト

ヨーグルトはカルシウムや脂質・たんぱく質を多く含みます。 また乳酸菌の働きにより悪玉菌の影響を抑え、腸内環境を整え下痢や便秘を予防します。

さらに、免疫力を高めることで妊婦さんの風邪や感染症への予防効果もあると言われています。

きのこ

きのこには、食物繊維や鉄分・カリウム・亜鉛などの栄養素が多く含まれます。 中でもエリンギやえのき・まいたけなどは葉酸も含まれており、造血や子宮内膜の強化などを抑制し胎児の正常な成長へ効果が期待されています。

また、食物繊維が便通の改善に働きかけます。

バナナ

バナナは、マグネシウムやカリウム・ビタミンB群を豊富に含み、中でもビタミンB6はつわりの症状を抑える働きがあるとされています。

また、カリウムは摂りすぎた塩分を排出する働きがあるため、高血圧予防やむくみの解消にも効果があります。さらに葉酸も多いため神経管閉鎖障害などの先天性疾患の予防にも効果が期待できます。

妊娠中に控えたい『NGな食べ物』

■マイ 『妊娠がわかってから、赤ちゃんの健康のために毎日3杯飲んでいたコーヒーを控えたり、いろいろと食生活を見直していますが、普段の食事の中に赤ちゃんに悪い影響のある食品がないか心配です。』

赤ちゃんのための食生活改善は大切ですよね。普段の生活なら問題がなくても、食べたものによっては感染症になったり、赤ちゃんの成長を妨げる原因にもなるので十分気をつけましょう。

妊娠中にNGな食べ物

生もの

妊娠中の母体は、お腹の中の赤ちゃんを守るため免疫力が低下しています。そのため、お刺身やお寿司、生ハムや生肉・ユッケなどの生ものを原因とした食中毒になるリスクが高まってしまうため、摂取を控えましょう。

また、生野菜にもトキソプラズマという寄生虫が存在しており、サラダなど生のままで食べる場合は充分に水で洗う必要があります。

お酒(アルコール類)

お酒の好きな方は、妊娠中に禁酒で辛い思いをする妊婦さんも多いでしょう。 しかしアルコールの影響で脳の発達が未熟になり、言語や学習に障害を持つ”胎児性アルコール症候群”の原因にもなります。

コーヒー・お茶・チョコレート(カフェイン)

コーヒーや紅茶は習慣的に飲んでいる方も多い飲み物ですが、妊娠中に限っては摂取量を控えることをお勧めします。

これは、カフェインが造血の抑制させてしまうからです。血液量が変わり貧血になる上に、胎児の栄養は血中で運搬されるため、正常な成長の妨げの原因になってしまいます。

レバー(ビタミンA)

ビタミンAには、動物性由来の”レチノール”と植物性由来の”β(ベータ)”の2種類があります。

この”レチノール”は脂に溶ける性質を持つ『脂溶性ビタミン』のため、摂取すると体にたまりやすく、胎児の奇形の原因にもなります。

鳥レバー・豚レバー・牛レバー・あん肝・うなぎ・アナゴ・筋子など

妊娠中に、塩分を過剰摂取してしまうと、妊娠高血圧症候群になります。 妊娠高血圧症候群になると、血流が低下するため胎児に運搬できる栄養や酸素が減少してしまいます。

これは、胎児の発育不全や低体重の赤ちゃんになる原因にもなり、症状がひどい場合は流産になる可能性もあります。

厚生労働省では、妊婦の1日あたりの食塩目標量を7g未満としているので、妊娠期間は薄味の食生活を心がけましょう。

理想的な摂取カロリーはどのくらい?

■マイ『妊娠中は、食欲が増えたり赤ちゃんのために栄養を摂るため普段より食べている量が多くなっているんですが、実際どれくらいのカロリーが理想なんですか?』

マイさんは妊娠中期ですよね。お母さんの妊娠期間や普段の運動量によっても、摂取カロリーの推奨量が変わってくるんです。これからの生活のことも考えて、いくつかのパターンに分けて紹介しますね!

1日の摂取カロリーの目安

同じ妊婦さんでも、妊娠期間や普段の運動量によっても推奨摂取カロリーが変わってきます。

年代やライフスタイル・妊娠期間ごとに目標の摂取カロリーを割りあてているので、ご自身の条件に当てはまるところを参考にしてみてください。

10代〜20代の推奨摂取カロリー

運動量ライフスタイル推奨摂取カロリー(成人女性)妊娠初期(+50 kcal)妊娠中期(+250 kcal)妊娠後期(+450 kcal)
少なめ 子供のいない専業主婦、デスクワーク中心の方1,650 kcal1,700 kcal2,100 kcal2,100 kcal
普通育児中の主婦、接客業、立ち仕事が中心の方 1,950 kcal2,000 kcal2,200 kcal2,400 kcal
多め製造業や工場などの作業が中心で運動量の多い方2,200 kcal2,250 kcal2,450 kcal2,650 kcal

30代〜40代の推奨摂取カロリー

運動量ライフスタイル推奨摂取カロリー(成人女性)妊娠初期(+50 kcal)妊娠中期(+250 kcal)妊娠後期(+450 kcal)
少なめ 子供のいない専業主婦、デスクワーク中心の方1,750 kcal1,800 kcal2,000 kcal2,200 kcal
普通育児中の主婦、接客業、立ち仕事が中心の方 2,000 kcal2,050 kcal2,250 kcal2,450 kcal
多め製造業や工場などの作業が中心で運動量の多い方2,300 kcal2,350 kcal2,550 kcal2,750 kcal

■マイ 『私は今27歳で妊娠中期、普段は接客業で立ち仕事が多いので2,200 kcalが目安ですね。』

そうですね、妊娠中期だとつわりも落ち着いて食欲が戻ってきますが、体内血流が多くなる時期なので、貧血予防にほうれん草を食べるのもいいかもしれませんね。

まとめ

さて、妊娠中の食生活を中心にお話してきましたが、普段は自分にとって無害の食べ物でも胎児にとっては疾患の原因になることがわかりましたね。

それから、妊娠期間やお母さんの普段の運動量によっても1日の推奨カロリーが違うところもポイントでした。

元気な赤ちゃんを生むために、食生活を見直すのはとても大切なことですが、共働きや親からの援助が難しい方は、毎日の食事に気を使うのも大変ですよね。

■マイ 私の場合は、忙しくて家事に手が回らないとき母親が手伝いにきてくれてとても助かっていますが、つわりがひどいときに頼れる人が近くにいないと考えると辛いですね…。

そうですよね。 各々妊婦さんのライフスタイルや周りの環境は違うので、理想的な食事を意識しすぎてストレスを抱えてしまっては本末転倒です。

食欲のないときは、食べやすいヨーグルトなどで母体を調整したり、カラダだけでなく心にもゆとりを持って過ごして欲しいです。

プロフィール
葉子先生
都内で産婦人科医をしている葉子(ようこ)といいます。私自身2人の子供の出産・育児を経験した母でもあります。 妊活にはそれぞれの時期で必要なことが異なりますが、まだまだ誤解されている方も少なくありません。 このサイトでは元気な赤ちゃんを産むために必要なことを、専門家の立場からお伝えします。
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