妊娠中ママ必見!葉酸の多い食べ物まとめ |
■マイ 『いつもの献立に葉酸の多い食べ物を取り入れたいんですが、どんな食べ物に葉酸が多く含まれているんですか?』
『葉酸は野菜や果物にも含まれていますが、中には妊娠中は食べるのを控えたい食品もあるので合わせて覚えておきましょう!』
■マイ 『妊娠するまで、あまり聞いたこともなかったんですが、葉酸って一体どんなモノなんですか?』
『確かに、耳慣れない響きにイメージが湧きにくいですが、胎児の栄養になるものですからどんなものか気になりますよね。』
『葉酸がどんな成分で、妊婦さんになぜ必要なのか学んでいきましょう!』
葉酸とは水溶性ビタミンB群の1種
栄養素は、たんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンの5種類に分けられ、これを『5大栄養素』と言います。
このうちの『ビタミン』に分類されているビタミンB群の中のビタミンB9が葉酸なのです。
葉酸を含むビタミンB群は、水溶性のビタミンなので水に溶けやすい性質から、摂取しても尿から排出されてしまいます。
そのため、葉酸を普段の2倍必要とする妊娠中に不足しやすい栄養素でもあります。
一方で、葉酸は加熱調理での失われる割合が高いことから、推奨量の摂取が難しいビタミンとなっているわけです。
さて、この葉酸ですが妊娠中のお母さんと胎児にとって不可欠な役割が2つあります。
1つ目は、たんぱく質や核酸の合成に働きかけることです。これによって胎児の細胞の増殖や再生を助け、正常なカラダの発育を促しています。
そして2つ目は、『造血のビタミン』としての役割。葉酸はビタミンB12とともに、赤血球の生成を助けます。
赤ちゃんの栄養素は血液中の赤血球によって運ばれていますが、普段より血流が増える妊娠中は貧血になりやすいため、妊婦さんには貧血予防として『葉酸』と『ビタミンB12』の摂取を習慣にしてほしいと思っています。
■マイ 『葉酸を普段の食事から摂りたいんですが、どんな食べ物に含まれていますか?』
葉酸は野菜や柑橘類に多く含まれていますが、食べ物から摂取することでビタミンやたんぱく質など複合栄養素も一緒に摂れますし、栄養バランスを整える意味でも食事から摂りたいですよね。
葉酸の多い食べ物ランキング
今回は、葉酸の多い食べ物を種類別・ランキング形式でお伝えします。また、スーパーなどで手に入りやすいものをピックアップしてみました。
【野菜類】BEST7
順位 | 食品名(100gあたり) | 含有量(μg) |
---|---|---|
1 | 枝豆(生) | 320μg |
2 | モロヘイヤ(生) | 240μg |
3 | パセリ(生) | 220μg |
4 | ほうれん草(生) | 210μg |
5 | ブロッコリー(生) | 210μg |
6 | アスパラガス(生) | 190μg |
7 | クレソン(生) | 150μg |
【果実類】BEST7
順位 | 食品名(100gあたり) | 含有量(μg) |
---|---|---|
1 | ライチ | 90μg |
2 | いちご | 240μg |
3 | アボカド | 84μg |
4 | マンゴー | 84μg |
5 | キウイ | 36μg |
6 | バナナ | 26μg |
7 | みかん | 24μg |
【きのこ類】BEST5
順位 | 食品名(100gあたり) | 含有量(μg) |
---|---|---|
1 | 干し椎茸(乾) | 240μg |
2 | ヒラタケ(生) | 100μg |
3 | えのき(生) | 75μg |
4 | エリンギ(生) | 65μg |
5 | まいたけ(生) | 53μg |
【肉類】BEST5
順位 | 食品名(100gあたり) | 含有量(μg) |
---|---|---|
1 | 鶏レバー(生) | 1300μg |
2 | 牛レバー(生) | 1000μg |
3 | 豚レバー(生) | 810μg |
4 | レバーペースト(豚) | 140μg |
5 | 鶏の唐揚げ | 23μg |
【大豆食品】BEST6
順位 | 食品名(100gあたり) | 含有量(μg) |
---|---|---|
1 | きな粉 | 260μg |
2 | 大豆(乾燥) | 230μg |
3 | あずき(乾燥) | 130μg |
4 | 納豆 | 120μg |
5 | 豆乳 | 28μg |
5 | 豆腐 | 12μg |
【魚介類】BEST7
順位 | 食品名(100gあたり) | 含有量(μg) |
---|---|---|
1 | うなぎ(きも/生) | 380μg |
2 | 生うに | 360μg |
3 | たたみいわし | 300μg |
4 | あゆ(焼き) | 280μg |
5 | 桜エビ(素干し) | 230μg |
6 | すじこ | 160μg |
7 | アンコウ(きも) | 380μg |
【海藻類】BEST5
順位 | 食品名(100gあたり) | 含有量(μg) |
---|---|---|
1 | 焼き海苔 | 1900μg |
2 | 味付け海苔 | 1600μg |
3 | 岩のり(素干し) | 1500μg |
4 | 乾燥ワカメ | 440μg |
5 | 青のり(素干し) | 270μg |
引用元:食品データベース(文部科学省)
さて、葉酸の多く含む食べ物を紹介してきましたが、中には妊娠中に食べるのを控えて欲しいものもあるんです。
■マイ 『え!葉酸が多ければ、赤ちゃんの栄養になるんじゃないんですか?』
そうですね。葉酸は赤ちゃんの成長を助けますが、食べ物によっては赤ちゃんの成長を阻害したり、感染症のリスクを高めてしまう成分を含んでいるモノもあるので、合わせて覚えておきましょう。
妊娠中は摂取を控えたい成分
葉酸を含む量の多い食べ物に限らず、妊娠中には摂取を控えたい幾つかの成分があります。
菌が付着している可能性の高いものは、できる限り摂取を控えて欲しいと思いますが、赤ちゃんの成長には必要な栄養素だけれども過剰摂取すると危険なモノもあります。
必要な栄養素は、推奨摂取量を踏まえて正しい栄養バランスを心がけましょう。
脂溶性ビタミンは、脂に溶けやすい性質を持つため体内にたまりやすい栄養素です。 過剰摂取になりやすく胎児への影響が心配される脂溶性ビタミンですが、推奨量を守れば赤ちゃんの成長を助ける役割もあります。
過剰摂取が危険だからといって、全く食べてはいけないわけではなく、胎児にとって必要な栄養素として適切に摂取しましょう。
ビタミンA
アメリカではビタミンAを1日あたり4500μgRE以上摂取した妊婦は、1500μgRE未満の摂取量だった妊婦に比べ『口蓋裂』や『水頭症』になるリスクが3.5倍だったという報告がされています。
ビタミンD
ビタミンDを過剰摂取すると、血液中のカルシウム濃度が上がり高カルシウム血症になることで、嘔吐や食欲不振を引き起こします。
また、この影響から胎児の歯の発育に異常をきたす可能性があるので、推奨量を守ることが大切です。
ビタミンK
ビタミンKを妊娠後期に過剰摂取すると、赤ちゃんに高ビリルビン血症になることで、黄疸がでてきます。さらに血液中のビリルビン値が高まり、脳にまで影響が及んだ際は、脳障害のリスクがあるため摂取量には十分注意しましょう。
脂溶性ビタミンの多い食べ物と推奨量
栄養素 | 妊娠時の推奨量 | 多く含まれる食べ物 |
---|---|---|
ビタミンA | 700〜760μgRE | 豚レバー・鶏レバー・アンコウのきも、レバーペースト |
ビタミンD | 7.0μg | きくらげ・アンコウのきも・しらす干し・いかなごの煮干し・イワシ |
ビタミンK | 150μg | 緑茶・抹茶・乾海苔・ワカメ・ケール・紅茶・煎茶・パセリ |
多く含まれる食べ物:パセリ・セロリ
リスク:アピオールはパセリやセロリの精油に含まれる有機化合物で、独特の香りを持ちます。妊娠期間中に摂取を避けたい最大の理由は、子宮を収縮させる作用があるからです。
アピオールは過去にヨーロッパで中絶目的で使用されていた成分でもあるため、妊娠中の摂取は控えましょう。
多く含まれる食べ物:ナチュラルチーズなどの乳製品、生野菜、生ハム、スモークサーモンなど
リスク:食品安全委員会の評価書によるとリステリア菌の推定患者数は年間200人とされており、本来は発症率の低い感染症です。しかし、妊婦さんは免疫力が低下しているため、僅かなリステリア菌でも発症することがあります。
リステリア症の症状として、髄膜炎や敗血症になるほか、リステリアが胎児へ感染した場合は赤ちゃんに疾患がでたり流産になる可能性もあるので十分気をつけてください。
多く含まれる食べ物:生肉、レアステーキ、サラミ、生ハム
リスク:多くの哺乳類がトキソプラズマに感染する可能性があるため、すべての食肉が感染源に当たります。生食や不十分な加熱調理を原因に感染することがありますので、精肉にはしっかり火を通し、まな板や包丁の清潔を保つよう心がけましょう。
成分:多く含まれる食べ物:玉露、煎茶、抹茶、コーヒー
リスク:煎茶は100g/1,300μgと非常に多く葉酸を含んだ食品ですが、一方でカフェインの含有量の多い食品でもあります。
カフェインによる利尿作用で、葉酸や鉄分が尿と一緒に流れてしまうため、吸収阻害の原因にもなってしますのです。
その反面、『むくみ・冷え性の改善』や『脂肪燃焼』にも効果のあるカフェイン、全く摂取しないまで禁止をする必要もありませんが、1日の摂取量を300mg以下(コーヒー2杯程度)の基準を守りましょう。 ノンカフェインコーヒーやたんぽぽ茶などを代用的に飲用するのもおすすめです。
『さて、葉酸の多い食べ物や妊婦さんにNGな食べ物をまとめて紹介してきましたが、 水溶性ビタミンの葉酸は、”熱に弱く””水に流れやすい”特徴から調理による損失の多い栄養素でもあるんです。』
■マイ 『そうなんですね。。 それじゃあ、元々の葉酸をなるべく失わないようにするには、どんな調理法がおすすめですか?』
『食材によって、調理法は様々ですが葉酸の摂取率アップのためのコツをいくつか紹介していきますね!』
調理による葉酸の損失を抑える5つのコツ
調理の際に、葉酸の吸収率をアップさせるためには、『熱』と『水』の使用をなるべく控えることが基本です。 料理の時には、以下の5つのポイントを守ることを意識してみてください。
加熱時は茹で汁などの水分から葉酸が失われないように、蒸し料理や電子レンジで火を通すのがおすすめです。
食材にもよりますが、炒め料理はできるだけ加熱時間を短くして葉酸の損失を抑えましょう。
茹でる際には、葉酸が茹で汁に流れやすいため、スープやお味噌汁など汁ごと食べられる料理を選ぶのがオススメです。
水溶性ビタミンの仲間のビタミンC・ビタミンB6・ビタミンB12を一緒に摂取することで、葉酸の吸収率を向上することができます。
葉酸には、光に弱い性質があり、日照の影響により栄養素が分解されてしまいます。 冷蔵庫など低温で暗い場所に保存し、できるだけ早いうちに食べるように心がけましょう。
そのまま生で食べられるものは、当然、調理による葉酸の損失がありません。 ビタミンCなどその他のビタミンの摂取も期待できますが、生ものですのでしっかり洗ってから食べるのが基本です。
さて、葉酸の多い食べ物やその効果、食べ合わせNGの食品、妊娠期でのオススメ調理方法を紹介しましたが、最後にまとめとして4つのポイントを復習しましょう。
葉酸はビタミンB群の仲間、ビタミンB9 という水溶性のビタミンでしたね。 水溶性(水に溶けやすい)のため、尿から排出されやすいことから過剰摂取の心配は少ない一方で、推奨量摂取も難しいのが特徴です。
ビタミンB12とともに『胎児の赤血球の生成』を助けたり、『妊婦さんの貧血防止』にも働きかけることから、妊婦さんと胎児にとって欠かせない栄養素とされています。
妊娠期は特に摂取を心がけましょう。
野菜やフルーツだけでなく肉類やきのこ・大豆・海藻・魚介類など様々な食品に含まれる葉酸。
その食材によって含有量は大きく違いますが、生で食べられるフルーツからビタミンCなど複合ビタミンを取り入れたり、ビタミンB12の多い貝類などと食べ合わせて、葉酸の働きをアップさせるなど、より効果的な摂取を目指すことをお勧めします。
葉酸が多く含まれる食品の中にも、胎児や妊婦さんに摂取を控えて欲しい食品や成分を紹介しました。
体にたまりやすいため過剰摂取NGの脂溶性ビタミンから、感染症の恐れがある肉や野菜の生食など。
中には、パセリのように『100g/220μg』と葉酸の含有量の多いものでも、アピオールという子宮を収縮させてしまう作用のある食品もあるので、ただ葉酸が多いだけで胎児や妊婦さんに良い効果をもたらすワケではないということも押さえて欲しいところです。
水溶性ビタミンの葉酸は『水に流れやすい』『熱に弱い』などの性質があります。
野菜やフルーツは水洗いをして生で食べることで、熱による葉酸の減少を避けたり、野菜は蒸し料理や茹で汁を捨てない汁物の料理にすることがお勧めです。
葉酸の吸収率を向上させるビタミンC・ビタミンB6・ビタミンB12などの多い食べ物を一緒に食べるのも良いでしょう。
また、葉酸は光に弱い性質も持つため、冷蔵庫で暗所・低温での保存をし、できるだけ早く食べることも葉酸摂取のコツです。