葉酸サプリはいつまで飲めばいい?期間別の効果とはたらき。 |
葉酸は着床や胎児の成長に働きかけるため、妊活中からの服用をおすすめしていますが、妊娠がわかってから飲み始めても遅いということはありません。
実際に葉酸の服用者でも妊娠中から飲み始めている妊婦さんも多く、妊活中・妊娠中・授乳中の期間によって効果や目的も違いがあります。
厚生労働省は、妊娠を計画している女性に向けて、神経管閉鎖障害の発症リスクを抑えるために『妊娠1ヶ月以上前〜妊娠3ヶ月までの期間の葉酸摂取』を呼びかけています。
葉酸摂取の重要期間は、妊娠〜妊娠3ヶ月。
神経管閉鎖障害とは受精卵が子宮内膜に着床して妊娠してから妊娠3ヶ月までの間に、赤ちゃんの神経や脳・筋肉の元となる神経管が塞がってしまうことで、脳や神経伝達に障害が起きる先天性の疾患です。
葉酸は『血流促進』や『子宮内膜の強化』に働きかけ、胎児の正常な成長を促すことで、脳や脊髄の障害リスクを低下させると期待されています。
そのため、赤ちゃんにとって成長の最も大切な妊娠〜妊娠3ヶ月の期間に葉酸の効果を与えるためには、妊娠1ヶ月以上前からの葉酸サプリの服用をおすすめしています。
ヒロコ 『葉酸サプリって妊婦さんの栄養補助のイメージがあるんですが、妊活中も葉酸を摂るメリットってあるんですか?』
胎児の成長に大事な妊娠初期に葉酸の効果を与えるためには、妊活中から葉酸サプリを飲んで欲しいですね。それから、妊娠やすい体づくりをサポートする役割もあるんですよ。
葉酸が妊娠しやすいカラダ作りをサポート
葉酸は、細胞分裂や増殖を促して、丈夫で分厚い子宮内膜づくりに貢献します。
高齢で不妊治療に通う方には、この子宮内膜に厚みがつかないことで妊娠に至らないケースもあるため、正常な着床・定着のためにも葉酸サプリの服用をおすすめしています。
葉酸はビタミンB12と一緒に、赤血球の生成を促す効果があります
受精卵は血液で運ばれた酸素や栄養素によって成長しますが、この血流促進が受精卵の正常な成長に働きかけ、流産や障害を持った赤ちゃんの出生率も少なくなります。
妊活中・不妊治療中の葉酸摂取量は普段の食事に加えて、葉酸サプリから400μg摂ることが厚生労働省から薦められています。 妊活1ヶ月前からの葉酸サプリメントの服用がベストです。
また、不妊の原因が男性にあることも少なくありません。男性の場合、精子ができるまで3ヶ月程度かかるため、妊活の3ヶ月前からの葉酸摂取を意識すると良いでしょう。
マイ 『野菜や大豆食品を食べたり、妊娠がわかってからは特に栄養バランスに気を使っているつもりですが、葉酸が特別に必要な理由って何でしょうか?』
普段の食事に気を使っているのはとても良いことですね。 妊婦さんは特に、赤ちゃんの成長ために葉酸の体内利用が多いんですよ。
葉酸で先天性の障害リスクを減少
神経管閉鎖障害とは、神経管という赤ちゃんの脳や脊髄・神経細胞などのもとになる管状の細胞が、塞がってしまうことで、脳や脊髄が正常に成長できなくなる先天性の疾患です。
おもには、『無能症』と『二分脊椎症』に分けられ、脳の一部が欠損したり、神経伝達ができないことで下半身の神経麻痺から運動・歩行・排便・排尿・性機能などへの障害発症リスクが高くなります。
そのため、胎児の成長に最も大切な妊娠〜妊娠3ヶ月は特に葉酸の摂取を心がけてほしいと思っています。
妊娠週数が増えると、胎児や子宮も大きくなりその分、胎児の成長に必要な栄養量も増えてきます。
お母さんが食べたものの栄養は、血液中の赤血球によって運ばれますが、葉酸が不足してしまうと正常な赤血球が作られず、栄養供給が十分できなくなってしまうため注意してください。
また、妊娠期間は葉酸が体内でたくさん消費されるため貧血になりやすい時期でもあります。葉酸がビタミンB12とともに赤血球の生成をサポートしてくれるので、複合ビタミンにビタミンB12が入ったサプリを選ぶと良いでしょう。
妊娠中は普段の食事に加えて、サプリで480μgの葉酸を摂取しましょう。
つわりで食欲がない時は、匂いも少なく大きさが小粒のものだと服用のストレスも抑えられるので、サプリ選びの参考にしてみてください。
■アサミ 『妊娠中から葉酸サプリを飲み続けて、今は授乳中です。 しばらくは、授乳期間が続きそうなんですが葉酸サプリっていつまで飲んだら良いんですか?』
赤ちゃんが授乳期間になると、質の良い母乳を作るために葉酸を摂ります。葉酸の摂取量は産後から少し減らして切り替えましょう。
良質な母乳と母体の回復
産後の葉酸の役割の1つは、質のよい母乳をつくることです。 出産後は『プロラクチン』というホルモンの分泌が急激に増え、この分泌よって乳房にたくさんの血液が流れ、乳腺にある腺房で母乳が作られます。
母乳をつくるためにはたくさんの血液が使われるため、授乳期間は貧血になりやすい時期なのです。
なので、お母さんは良い血液をつくるため、『鉄分』や『鉄の吸収を助けるビタミンC』『赤血球の産出を助ける葉酸とビタミンB12』といった栄養素を積極的に摂ってほしいと思います。
赤ちゃんが生まれると、子宮は妊娠前の大きさに戻ろうとします。
また、分娩の時にたくさんの出血をすることで、鉄分が不足しがちになっているため、葉酸やビタミンB12・鉄分を摂って造血効果を促す必要があります。
産後は母体に急激ながあり、それを妊娠前の状態まで修正していく期間ですので、ご自身の体もいたわりながらストレスの溜まりにくい生活を送りましょう。
厚生労働省では、産後・授乳期間の葉酸摂取量を”1日あたり340μg”としていますが、そのうち100μgは食事から取り入れることを薦めています。
なので、残りの240μgをサプリで補うことになりますから、葉酸サプリが1粒/100μgの場合は、2錠程度の服用ですね。複合ビタミンに鉄分があるサプリを選ぶのもポイントです。
葉酸サプリを飲む期間は、卒乳まで。
葉酸サプリは、先天性疾患予防のため『妊娠1ヶ月以上前〜妊娠3ヶ月までの期間の摂取』が最も大切ということが要点でしたね。
ですが、妊娠後に飲み始めたからと言って、必ず赤ちゃんに疾患が現れるわけではありませんし、妊娠中期の『貧血予防』や『胎児の成長促進』のために飲み始めるのも良いと思います。葉酸サプリの服用期間ですが、赤ちゃんの授乳が終わるのを目処に飲み終わるのが良いかと思います。
赤ちゃんやお母さんの生活環境によっても乳離れの時期はそれぞれですので、ご自身の卒乳のタイミングでサプリの服用を終えましょう。