妊娠中ママ必読!葉酸欠乏症が恐ろしい理由 |
葉酸は野菜やきのこなど食べ物からも摂取できるビタミンですが、妊娠中のお母さんの体では普段より多くの葉酸を消費するため、『葉酸欠乏症』になりやすい期間とも言えます。
葉酸が足りなくなると、赤ちゃんの先天性疾患の原因にもなるので、元気な赤ちゃんを生むためにも妊婦さんには充分葉酸を摂ることをオススメしています。
そもそも葉酸とは、野菜などに含まれている水溶性ビタミンなのですが、この葉酸が不足すると『葉酸欠乏症』になってしまいます。
妊娠中に葉酸が足りなくなると、赤ちゃんの正常な成長を妨げたり、先天性疾患の原因にもつながる可能性があるため妊婦さんには特に気をつけて欲しいと思っています。
■マイ 妊娠中なので、緑の野菜を積極的に献立に入れたり食事のバランスには気を使っているつもりなんですが、どうしたら葉酸が足りなくなってしまうんですか?
普段の食生活で葉酸の多い野菜を意識しているのは、とてもいいことだと思います。
妊娠中のお母さんの体では普段より多くの葉酸を消費するため、『葉酸欠乏症』になりやすい期間なのですが、まずはその原因3つを紹介します。
葉酸欠乏の原因
造血作用や血流促進を促す葉酸は、妊娠期間中は特に消費量が多くなります。 そのため、葉酸欠乏症になりやすくなってしまいます。
普段から、野菜やフルーツなどを口にしない食生活の場合、低栄養状態になりやすく葉酸が不足の原因にもなります
妊婦さんは便秘になりやすく、その影響で腸内環境が悪化してしまうことがあります。 腸の吸収率が低下してしまうと、葉酸の体内利用率も減少してしまい、これが葉酸欠乏の原因になることがあります。
アルコールを体内で分解する際に葉酸が消費されてしまうため、お酒の過剰摂取は葉酸不足の原因になってしまいます。
コーヒーや緑茶・紅茶などに含まれる『タンニン』は葉酸の吸収を阻害します。 そのため、葉酸サプリを服用する際に紅茶などと飲むのは避けて、水とでの服用を心が得ましょう。
■ヒロコ:『妊娠しやすいカラダづくりのために、葉酸の摂取を心がけているんですが、妊娠してから葉酸が足りなくなると赤ちゃんにはどんな影響があるんですか?』
やっぱり一番心配なのは、生まれてくる赤ちゃんの健康ですよね。 葉酸の欠乏で妊婦さんの体調が崩れると、胎児の成長を阻害する原因にもなることを知っておきましょう。
葉酸不足が胎児の健康を阻害する
貧血予防というと、鉄分の摂取をイメージする人が多いかもしれませんが、葉酸やビタミンB12の不足が原因で『巨赤芽球貧血』になることがあります。
血液を作っている脊髄で、正常に生成されれば赤血球になるはずの”赤芽球”が異常に大きくなり”巨赤芽球”が生成されます。
大きくなりすぎた巨赤芽球のほとんどは赤血球になる前に壊れてしまうため、血液中の赤血球の数が減少します
赤血球が足りなくなると、肺で取り込んだ酸素を母体や胎児の細胞へ充分に運搬ができなくなり、これが胎児の正常な成長を妨げる原因となっています。
神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄の元となる”神経管”と呼ばれる管状の細胞の一部が塞がることで、脳や脊髄が正常に成長できなくなる先天性異常です。
神経管の塞がる場所によって症状が異なり、神経管の前部が塞がると『無脳症』に、神経管の下部が塞がると『二分脊椎症』になります。
『無脳症』
脳に障害が出た場合は、脳の一部が欠損する場合があり、死産になるリスクの高い疾患です。
『二分脊椎症』
脊椎に障害が出た場合は、脳からの指令が脊椎を通過できないため、体の下部へ神経伝達ができなくなってしまいます。
下半身の神経麻痺によって運動障害・歩行障害や排便・排尿障害の発症リスクも高まります。
■マイ 『葉酸欠乏症になると、私自身にはどんな症状が体に出るんですか?自分でも簡単に気づけることがあれば教えて欲しいです。』
葉酸の含まれた食べ物を食べたり、葉酸サプリの服用をして普段から葉酸の摂取を意識していても、生活習慣が原因で体内利用率が下がったり、葉酸欠乏症になることがあります。
葉酸欠乏症の症状や、葉酸が足りなくなりやすい生活パターンがご自身に当てはまるかチェックしてみましょう。
葉酸欠乏症の症状と、葉酸浪費のNG行為。
妊娠中は、貧血になりやすい期間ですが鉄分不足ではなく葉酸不足が原因になることもあります。代表的な葉酸欠乏症の症状が多く該当する場合は要注意です。
葉酸欠乏症の症状
□たまに立ちくらみやめまいがする。
□原因なく憂鬱になりやすくなった。
□貧血である。
□しっかり休息をとっているのに、疲れが取れない。
□下痢気味である。
□食欲が低下した。
□呼吸困難になることがある。
□肌の色味が悪い。
□味覚機能の低下を感じる。
胎児の成長以外に、普段の生活習慣がきっかけとなって葉酸が大量に消費してしまうような行動もあるので、習慣に潜むNG行為をまとめました。
ご自身の生活と照らし合わせてみて、チェックの数が多い方はライフスタイルの改善を目指しましょう。
葉酸欠乏症になりやすい生活習慣
□日常的にお酒などのアルコール類を飲んでる。
□野菜やフルーツをあまり食べない。
□コーヒーや紅茶・赤ワインなどタンニンを含む飲み物(食べ物も)をよく飲む。
□便秘がちなことが多い。
□胃腸の調子があまりよくない。
□タバコを吸っている。
□コンビニやインスタント食品、外食などが多い。
マイ 『飲酒や喫煙はもともとしていなかったので問題なさそうですが、仕事が遅くなったり疲れている時は、ついコンビニ・インスタント食品になってしまうこともあるので気をつけてみます。』
食事は、毎日のことなので継続することが大変だと思いますが、元気で余裕のある時には緑黄色野菜たっぷりの献立などを食べて欲しいです。
ですが、あまり意識しすぎてストレスになってしまっても良くないので、体調や生活リズムに合わせて心がけてくださいね。
■ヒロコ: 『もし葉酸欠乏症の疑いがあったら、どのように治せますか?』
対処法は、何より葉酸の補給ですが、葉酸には推奨量を摂取するのが難しい理由がいくつかあります。その特徴を覚えて、効率的に葉酸を取り入れましょう。
食べ物だけでは充分摂取しにくい、葉酸の欠点。
厚生労働省が提唱している『日本人の食事摂取基準(2015年版)』では、成人の葉酸推奨量を240μgとしていますが、妊婦の摂取量は2倍の480μgなので、妊娠期間の葉酸の必要性が良くわかりますね。
これは、胎児の成長に葉酸が多く利用されることが理由です。
葉酸の食事摂取基準(1日あたり)
年齢など | 必要量 | 推奨量 |
---|---|---|
18〜29歳 | 200μg | 240μg |
30〜49歳 | 200μg | 240μg |
妊婦 | 400μg | 480μg |
授乳婦 | 280μg | 340μg |
ほうれん草などの緑黄色野菜や、赤身の肉・大豆食品・海藻類・きのこなどは葉酸が多く含まれるため、積極的に食べることをおすすめします。
また、ほうれん草には100あたり110μgの葉酸が含まれていますが、その他の栄養素としてβカロチンやビタミンA・ビタミンB群・ビタミンC・マグネシウム・カリウム・カルシウムなども一緒に摂取できるのが食品から葉酸を摂ることのメリットです。
『赤ちゃんへの栄養は、食品から摂りたい』という妊婦さんも多いかもしれませんが、毎日の食事だけで葉酸を推奨量まで摂取するのには難しい理由があります。
食べ物に含まれる葉酸は『水に溶けやすく』『熱に弱い』という特徴があります。そのため体内での利用率が少なく、調理で加熱した場合はさらに葉酸が減少してしまいます。
葉酸は、水溶性ビタミンと呼ばれ体の中にもたまりにくく、推奨量の摂取が難しいため、普段の食事と合わせて葉酸サプリで補うのが必須です。
妊娠初期につわりで食欲が湧かない時や、仕事が忙しく栄養バランスがコントロールできない時も、サプリなら簡単にカバーすることができます。
ちなみに、厚生労働省は胎児の成長に重要な期間とされる妊娠1ヶ月〜妊娠3ヶ月の期間は、食事に加えてサプリで400μg摂取することを薦めています。
■ヒロコ 『葉酸サプリって、いろいろ種類があるみたいなんですけど、どれを飲めばいいのか悩んでしまいます。』
■マイ 『赤ちゃんにも影響のあるものなので、安全かどうか心配です。』
そうですよね。葉酸サプリって、メーカーによって原材料が違ったり、つわりの時期は匂いや飲みやすさも大事ですよね。何より赤ちゃんの健康のために安全性を見極めたいはず。
医師としても、服用経験のあるママとしてもおすすめの葉酸サプリを紹介します。
ベルタ葉酸サプリ
私が最もおすすめするサプリは、ベルタ葉酸サプリです。 18種類の野菜が配合されていて、着色料や保存料・香料なども含まれていないので、安心して服用できます。
また複合ビタミンとして、鉄分やビタミンB12・ビタミンB6・カルシウムなど胎児の成長に欠かせない27種類の栄養素が含まれているので、偏りがちな栄養バランスも整えることができます。
特に、ビタミンB12は葉酸とともに赤血球の生成を促す効果があるため、赤ちゃんの成長促進にも期待ができますね。
私も妊娠中は服用していましたが、サプリの大きさが小粒で匂いも少ないので、つわりの時も飲むことに抵抗がありませんでした。
体にたまりやすい脂溶性ビタミンが、妊活中・妊娠中・授乳中に必要な所要量を考慮して配合されているところもお勧めしたいポイントです。