産婦人科が教える、葉酸サプリ選びのコツ! |
『まず葉酸サプリを選ぶ前に、どうして妊活・妊娠中に『葉酸』が必要なのかを知って欲しいと思います。マイさんは、葉酸サプリ服用の目的をどんな風に考えていますか?』
■マイ 『なんとなく、赤ちゃんの成長と健康のために、栄養補助として使っていますが…。』
『うーん。間違いでは無いのですが、先天性疾患の予防など胎児の正常な成長を助けるという効果も確認されていたり、臓器や脊髄・脳の形成にも働きかけたり、胎児にとって重要な効果があるんです。』
■マイ 『赤ちゃんが元気に生まれ流ようにと服用を始めましたが、実際『疾患』と聞くと母親として心配になりますね…。具体的にはどんなこと防ぐことができるんでしょうか? 』
『葉酸の摂取はあくまで予防としてですが、胎児の成長や妊婦さんの健康を助ける効果があると言われています。ここでは、その効果と必要性について具体的に説明していきましょう。』
妊活・妊娠中に葉酸を摂るべき3つのワケ
葉酸は細胞分裂を促進する効果があり、丈夫で分厚い子宮内膜の形成に役立ちます。
丈夫な子宮内膜は、『受精卵の着床率』『子宮内膜への定着率』をアップさせ、妊娠しやすいカラダづくりを助けます。
葉酸はビタミンB12とともに赤血球の生成をサポートします。
受精卵は血液で運搬される酸素・栄養素によって成長するため、血流の促進によって、着床後の正常な成長を助けます。
妊娠初期は妊婦さんだけでなく赤ちゃんもデリケート、胎児が疾患を発症することがあります。 妊活・妊娠中ママにとって葉酸サプリが欠かせない大きな理由は、そのリスクを抑える効果があることだと思ってます。
『神経管』という管状の細胞は脳や脊髄の元となる細胞です。 この神経管の一部が塞がり、大脳や脊髄・脊椎などが正常に成長できなくなる先天性疾患を『神経管閉鎖障害』といいます。
主に、神経管の前部が塞がる”無脳症”と、神経管の下部が塞がる”二分脊椎症”に分けられますが、脳に疾患の現れる”無脳症”は、胎児の脳の整形不全・欠損などから、死産になるケースも多いようです。
また、二分脊椎症の場合は脳からの神経伝達ができなくなるため、下半身麻痺をはじめ歩行障害や排便・排尿障害の発症率も高まります。
神経管閉鎖障害の原因は『ビタミンAの過剰摂取』『妊娠中の環境』などいくつかありますが、『葉酸不足』もその1つ。
葉酸は細胞分裂時のDNA合成を助け、神経管が大脳や心臓へと正常に発達することに役立つことから、神経管閉鎖障害の発症率を低下させると言われています。
授乳・妊娠期間中は普段より葉酸の消費量が多く、『葉酸欠乏症』になりやすい傾向にあります。
葉酸欠乏症のから引き起こされる貧血は『巨赤芽球性貧血』といい、正常な大きさの赤血球が作られなくなることが特徴です。
胎児は血液中の赤血球によって運搬された栄養素や酸素で成長するしますが、『巨赤芽球性貧血』になると”赤血球”や”赤血球になる前の赤芽球”が大きくなりすぎて壊れてしまうので、母体は胎児の成長に欠かせない赤血球の運搬機能を果たせなくなってしまうのです。
貧血は鉄分不足が原因と思うかもしれませんが、赤血球を増やすにはDNAの合成を伴うため、実は葉酸とビタミンB12が不可欠。
葉酸はビタミンB12とともに、赤血球の生成を促すため、普段から食事やサプリメントで『葉酸』と『ビタミンB12』を摂取することで予防をしておきましょう。
■マイ 葉酸サプリって調べてみると、結構たくさんメーカーがあるみたいで、正直どのサプリがいいのかわからないんですよね…。赤ちゃんの栄養にもなるので、安全性は特に気になります。
確かに、普段食べているの食品と違って、記載の原材料を見ても聞きなれないモノも多いと不安になってしまいますよね。
◼︎マイ:そうなんです。なので、妊活・妊娠期間にこれは必要!っていうポイントを知りたいです。
わかりました。それでは、7つのポイントに絞って葉酸サプリ選びのコツを学んでいきましょう!
安全で効率的に葉酸を摂るためのサプリ選び
すべての葉酸サプリは厚生労働省の推進している体内吸収率の高い『モノグルタミン酸型』です。
さらに、モノグルタミン酸型の葉酸には野菜や果物から抽出された『天然由来』のものと、石油や化学物質から作られた『合成』のものがあります。
同じモノグルタミン酸型のため、どちらも葉酸としての効果は得られますが、野菜・フルーツ・酵母など普段食べているような食品を原料から安全で効率的よく葉酸を摂ることをお勧めします。
また『合成葉酸』は消化・吸収をする際に、妊婦さんや胎児の消化器官に負担がかかることから、天然由来の葉酸サプリを推奨しています。
ビタミンB6・B12・Cなどが一緒に摂取できることもポイントです。
ビタミンB6が欠乏すると、つわりが悪化したり、妊娠中毒症を起こすリスクが高まります。
ビタミンB12は葉酸とともに赤血球を作る『造血のビタミン』と言われ、妊娠しやすい体づビタミンCがコラーゲンの生成をサポートし、免疫力を高めたり、皮膚や骨・血管を丈夫にする効果があります。
さらに、鉄分の吸収を高める効果もあり、鉄分不足に陥りやすい妊娠期間中には欠かせない栄養素なのです。
また、これらのビタミンは水に溶けやすい『水溶性ビタミン』のため尿として排出される性質があり、推奨量を守っていれば過剰摂取の心配もありません。
妊娠・授乳中に摂取したいビタミン
栄養素 | 推奨量 | 妊娠中(付加量) | 授乳期(付加量) |
---|---|---|---|
ビタミンB6 | 1.2mg | +0.2mg | +0.3mg |
ビタミンB12 | 2.4μg | +0.4μg | +0.8μg |
ビタミンC | 100mg | +10mg | +45mg |
出典:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
カルシウムは、胎児の骨や歯をつくるためには欠かせない栄養素です。
体内にあるのカルシウムのほとんどは骨や歯の成分の中に蓄えられていますが、実は筋肉細胞や血液中にも含まれています。
血液中のカルシウム濃度は常に一定に保たれるようにできていますが、カルシウム不足に陥ると、骨から血液中へカルシウムが流れてしまいます。
女性の1日当たりの推奨摂取量は650mg。
妊婦さんにとっては出産を乗り越える体づくりをする意味合いでも、意識的に摂取してほしい栄養素です。
妊娠中期〜後期は、お腹の中の赤ちゃんに酸素や栄養素を送るため、血液中のヘモグロビンの不足しやすく『鉄欠乏性貧血』や『葉酸乏性貧血』を引き起こす原因にもなっています。
普段の推奨量が6.0〜6.5mgなのに対して、妊娠中期〜後期は21.0mg〜21.5mgと3倍以上。
胎児の成長のために鉄の働きは大きく、妊娠中のお母さんにとって、いかに鉄分の摂取が大切かがわかるかと思います。
妊娠・授乳中・鉄の推奨摂取量
栄養素 | 推奨量 | 妊娠初期(付加量) | 妊娠中期〜後期 | 授乳期(付加量) |
---|---|---|---|---|
鉄 | 6.0〜6.5mg | +2.5mg | +15.0mg | +2.5mg |
出典:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
近年、多くの葉酸サプリは天然由来の原料を使っているものが多く、単に食品添加物だからと言ってすべての添加物が体に悪いわけでもありません。
添加物は、保存性や飲みやすさのために使用されますが、不要な香料・合成着色料・保存料・甘味料などは避けたサプリ選びを心がけましょう。
放射能チェックは震災以降様々な食品において行われるようになりました。
セシウムは赤ちゃんの奇形や疾患になるリスクを高める可能性があり、『放射能チェックを しているサプリ』『放射能チェックをしている会社』を選ぶことが、安心なサプリ選びの基準になっています。
厚生労働省が1日にサプリからの葉酸摂取量は400μgと推奨しています。
妊娠初期は特に葉酸不足にならないよう、摂取量の葉酸摂取が可能なサプリメントを選びましょう。
習慣的に摂取するためにも、タブレットの大きさやにおいも好みに合うものを選択することもポイントです。
さて、葉酸の多く含む食べ物を紹介してきましたが、中には妊娠中に食べるのを控えて欲しいものもあるんです。
■マイ 『私は妊活をキッカケに葉酸サプリを飲み始めましたが、飲むタイミングや量についてもっと詳しく知りたいです。』
そ葉酸は妊活・妊娠・授乳期など時期によって推奨摂取量や目的が変わります。 妊活中は子宮内膜の強化から妊娠しやすい体づくりを目指して服用しますよね。
■マイ 『そうなんです。妊娠を目標に葉酸サプリを飲み始めたので、いつまで飲めばいいのかわからなくて…。』
神経管閉鎖障害の予防としては、妊娠初期に推奨量(1日あたり400μg)を摂取することが大切ですが、妊活をあまり意識していない方だと妊娠がわかった時には妊娠数週間立っていたという方もいるでしょう。
なので、パートナーがいる方は『赤ちゃんがほしい!』と思った時から服用を始めることで、様々な疾患の予防をすることができます。
■マイ 『なるほど、妊娠中は赤ちゃんの健康のためにも飲んだほうがいいんですね。私はまだ妊娠中ですが、いつ頃まで飲めばいいんでしょうか?』
基本的には出産が終わるまで飲むことをお勧めしています。 また妊娠中でも期間によって推奨量が変わるので、早わかり表を参考にしてみてくださいね。
葉酸サプリから摂りたい、1日あたりの葉酸の摂取量。
妊娠・授乳中・鉄の推奨摂取量
期間 | 葉酸の推奨摂取量 (1日あたり) | 葉酸の主な働き |
---|---|---|
妊活中 | 400μg | ・子宮内膜の強化 ・着床率アップ |
妊娠〜妊娠4ヶ月 | 400μg | ・神経管閉鎖障害の予防
・流産のリスクを減らす ・貧血の予防 ・自閉症の発症を低減 ・つわり改善 |
妊娠中期:5〜7ヶ月 | 240μg | ・流産のリスクを減らす ・貧血の予防 ・早産の予防 ・つわり改善 |
妊娠後期:8〜10ヶ月 | 240μg | ・消化・免疫機能の改善 ・妊娠高血圧症候群予防 ・貧血の予防 |
授乳期 | 100μg | ・母乳の生成を助ける |
出典:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
■マイ 『目次の2つ目で葉酸サプリ選びのポイントをいくつか教えてもらったんですが、『天然由来』で…『放射能チェック』をしていて…、それから複合ビタミンが……なんでしたっけ? 』
『ポイントをまとめたつもりでしたが、葉酸サプリの種類自体たくさんあるので選ぶのはちょっと難しいかもしれませんね。』
■マイ 『そうですね。なんとなく選び方の基準はわかった気がしますが、結局のところ、どのサプリがいいのか決めかねてしまいます。』
『それでは、今回お伝えした葉酸サプリ選びのポイントを基準にお勧めサプリを紹介しましょう。習慣的に服用するためにも価格帯や飲みやすさも参考にしてみてくださいね。』